1982年高知県生まれ。ジェンダーやセクシュアリティの視点、フェミニズム、クィア理論への関心から小説、映画、芸術などについて“i-D Japan” “キネマ旬報” “現代思想” “新潮” “すばる”などで執筆。2018 年、範宙遊泳“#禁じられたた遊び”に出演。近刊に“‘テレビは見ない’というけれど” (共著/青弓社)。早稲田文学増刊 “家族”号に短編小説を寄稿。特集の編集を担当するフェミニズムマガジン“エトセトラ Vol.8 (特集‘アイドル、労働、リップ ’)”が11月末発売予定。
Born in Kochi and currently based in Tokyo. Started researching Gender studies at Meiji Gakuin Uni. for 3 years. Since 2015, they’ve published reviews of film, theater and book and wrote critical essays from the perspective of gender and sexuality studies, queer theory and feminism. Recently writing in a form of fiction. Several articles were evaluated well: such as, “Searching for a story of euphoria” (GUNZO, Feb.2022) was selected as Jan. of Kyodo News literature review and a published dialogue on intersectionality in the art field (BIJUTSUTECHO, Aug.2021) was selected as the Jul. review of the Asahi Shimbun discussion platform. Their selected works follow: publishing a short story “Hokorobi” in WASEDA BUNGAKU 2022, “They said “I don’t watch TV”: Entertainment on Feminism and Gender” (joint authorship), Seikyusha 2020, “Geppo: a Book for considering Society, Body, and Oneself on feminism” (joint authorship), Shakaihyoronsha, 2020
ポリティカル・コレクトネス(PC)の訳語は「政治的正しさ」や「社会的望ましさ」などさまざまだ。しかし、PCは炎上しないための表現ルールではないのにもかかわらず、PCにポジティブな人であっても、何がPCとして正しいのか、自分の表現は大丈夫だろうか(間違っているのではないだろうか)と疑心暗鬼になったり、試行錯誤している人も多いのではないだろうか。
今秋、出版された書籍『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』を参考に、PCを以下のように定義してみる。「PCとは多様な人々が生きる不均衡・不平等な社会の中で、個人が他者とコミュニケーションするためのルールであり、協働的に社会構造を変えていくための生きた方法である」と。では、PCはカルチャーという能動 / 受動、私的 / 公的なものが混じり合う表象の場を、どのようにして多声の方角へと開くのだろうか?
『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』の著者の一人である社会学者のハントンヒョン、フェミニズムにかかわる本の出版や書店活動を行うエトセトラブックス代表の松尾亜紀子、ジェンダー・セクシュアリティ、フェミニズムの視点から文化・文芸批評や文筆をおこなう鈴木みのり、そして聞き手に個人と個人の対話を出発点に社会構造の問題に目を向け、考え、語り合うメディア『me and you』の野村由芽、この4人の対話を通じて、ポリティカル・コレクトネスとカルチャーが拓く、わたしたちの自由の可能性を探る。
参考文献:『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』(清水晶子 / ハントンヒョン / 飯野由里子、有斐閣、2022)