トラック、パフォーマンスアートを駆使し、人新世、他者性、ポストヒューマニティの問題点をめぐる物語と儀式を編んでいる。最新EP“Noumenal Eggs”はSubtext Recordings(ベルリン)からリリース、ミュージックビデオはFact magazineにて初公開された。また香港コミュニティラジオで “Tragic Rave”という番組のホストも務める。
MIRA新伝統 is an art project that produces audio-visual performances. The group consists of electronic musician Raphael Leray and performer Honami Higuchi. Their work juggle with theory-fiction, video, soundtrack & performance art to knit narratives and rituals around the problematics of Anthropocene, otherness, and posthumanity. Their latest EP “Noumenal Eggs” was released on Subtext Recordings (Berlin), and the music video premiered on Fact magazine. They also host a show called “Tragic Rave” on Hong Kong community radio.
「瞑想、ヨガ、適度なワークアウト、バブルバス、美味しい食事はどうだろう。自分をメンテナンスしてあげよう。生産性を上げるために。#セルフケア」セレブリティからスタートアップの社長やアーティストにいたるまで、セルフケアは現代人にとっての必須のスキルとして喧伝されている。自己の心身を労わることは過ストレスな後期資本主義社会において個人の責務であり、セルフケアとはつまるところ各々が歯車としての自己に油をさしてあげることなのだ。
しかしながら歴史を辿ってみると、セルフケアという概念は1960年代の公民権運動や女性運動の中でコミュニティにおいて心身の健康を培っていくための集合的な実践として企図されていたことがわかる。セルフケアとは、個人に分散された順応の身振りではなく、むしろ集合的な抵抗の実践だったのだ。
我々は #セルフケア として無惨にも離散してしまったセルフケアをどのようにして集合的な抵抗の実践として編み直すことができるだろうか。MIRA新伝統の方法論である”儀礼”や”悲劇”などをヒントに議論していく。