yahyelのメンバーとしてサンプラー/プログラミングを担当する傍ら、プロデューサー/DJとしても活動。多数のアーティストへの楽曲提供やアレンジ、リミックスのほか、ファッションブランドのルックムービーや映画音楽まで幅広く手がける。また、プロテストレイヴやD2021といったイベントの企画・運営を通じて社会問題や政治参加に関するメッセージの発信も積極的に行う。
「瞑想、ヨガ、適度なワークアウト、バブルバス、美味しい食事はどうだろう。自分をメンテナンスしてあげよう。生産性を上げるために。#セルフケア」セレブリティからスタートアップの社長やアーティストにいたるまで、セルフケアは現代人にとっての必須のスキルとして喧伝されている。自己の心身を労わることは過ストレスな後期資本主義社会において個人の責務であり、セルフケアとはつまるところ各々が歯車としての自己に油をさしてあげることなのだ。
しかしながら歴史を辿ってみると、セルフケアという概念は1960年代の公民権運動や女性運動の中でコミュニティにおいて心身の健康を培っていくための集合的な実践として企図されていたことがわかる。セルフケアとは、個人に分散された順応の身振りではなく、むしろ集合的な抵抗の実践だったのだ。
我々は #セルフケア として無惨にも離散してしまったセルフケアをどのようにして集合的な抵抗の実践として編み直すことができるだろうか。MIRA新伝統の方法論である”儀礼”や”悲劇”などをヒントに議論していく。